肥満対策

運動による熱量消費は少ない

太っていればいるほど血圧が高くなり、体重を減少させると血圧が下がることは周知のとおりです。そして、肥満を解消するために運動が必要だということは誰でも知っていることですが、実は、運動で消費する熱量というものは、消耗すべき脂肪組織のもっている熱量に比べたら、まったく微々たるものなのです。

よく、「ひと汗かいて体重が1kgも減った」ということを言う人もますが、これは、脂肪が1kg減ったという意味ではありません。間違いです。

体重が増減する要因についてしっかり理解するには、栄養学の原点に戻らなければなりません。
脂肪1gのもつ熱量は9kcalです。そして脂肪組織は、脂肪90%、水10%で構成されています。つまり、脂肪組織を1kg消耗するには、98kcal×(1000-100)=8100kcalの負荷をかける必要があるのです。

日本の成人は、だいたい1日に2100kcal摂取していますがが、この計算でいくと、3日間絶食したところで、脂肪組織の消耗は1kgに達しません。

こんなに莫大なエネルギーをもっている脂肪組織のことですから、ちょっとやそっと運動したからといって、簡単に減るはずはないのです。

たとえば歩くことで脂肪組織を1kg減らすには、早足1.5km歩いても100kcalの消費にすぎませんから、計算すると120kmも歩き続けなければならないのです。

これは、東京を起点として、北は渋川か水戸、中央道なら山梨市、東海道では沼津までの距離に当たります。つまり、「ひと汗かいたら体重が1kg減った」というのは、体内からその分の水が減ったという意味にすぎないのです。

ダイエット中にイライラするのは?

肥満解消と一言で言ってもなかなか一筋縄にはいきません。ダイエット中のイライラもそのひとつかもしれません。

運動をすると基礎代謝が亢進する

実際のところ、運動で肥満が改善するのは、運動自体の熱量消費による結果ではありません。汗水たれる運動をしたあとは、基礎代謝量が数日、克進しっぱなしになるというところに、運動の効果はあるのです。

基礎代謝というのは、人間が生きていくための必要最小限度の熱量で、じっと安静を保っていても消耗する熱量です。運動をすると基礎代謝の亢進による熱量の消費が大きくなる、つまり、1回の運動だけで消費される熱量はわずかであっても、日ごろ運動している人は、からだに「熱量の消費の習慣がつき、ことさら運動をしないでも、たとえば眠っている間でも、余分な熱量が体外へ逃げていくというわけです。

基礎代謝の亢進はどの程度かというと、運動後15時間は25%増しになるとか、運動後6時間は21%増しになるとかいろいろな説がありますが、20%増しと仮定して、8時間の睡眠中に、運動した人は200kcalも余分に消耗する計算となります。

これは3kmの歩行と同じ熱量です。運動が肥満是正に必要な理由はここにあるのです。それも、汗水流す運動ほど基礎代謝の亢進には有効なのですから、この点をよく心得ることがたいせつです。

散歩程度の運動負荷では、毎日6kmほど歩く必要がありますが、テニスや水泳で、ひと汗もふた汗も流す運動なら、1一週間に3回もやれば十分だという調査結果も知られています。

また、食事前後に運動をすると、食事前後でとった熱量が体内にたまりにくいことも知られています。

この逆、つまり夕食後、テレビを見ながら横になるというのは、太っている人にとっては禁物ということでもあります。

いったん身についた脂肪は、とるのがたいへんです。食べたものが脂肪としてたまる前に使ってしまいましょう。それには、食後に軽い散歩をするのがいちばんです。昼食後の腹ごなしとして、20~30分も歩ければ理想的です。

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