姿勢と血圧

急に立ち上がると血圧は上昇する

人間は重力の関係で、立った姿勢でいると血液が下半身にたまります。横になっているときに比べると、500~750mlも多くたまります。
これ以上の血液が下半身にたまらないのは、交感神経が緊張して下半身の静脈が収縮し、たまった血液を心臓へ押し返すからです。
つまり、脳という重要な臓器の血流量が減らないように、手足の血管も内臓の血管もいっせいに収縮するわけです。それにしても循環血液量はたかだか5Lですから、立っているときに下半身に血液が500~750mlミもたまるということは、心拍出量を10~15%も減らしてしまうはめとなり、このままだと血圧もそれだけ下がってしまいます。

それをくい止めるために、動脈系は必死で収縮します。つまり横になって休んでいるときは無理な血管の収縮機構がないので血圧は下がっていますが、休んだあとで急に立ち上がると、最大血圧はやや下がったところで、最小血圧はやや高まったところで安定します。

ただ若い人と違って高齢者では、この下肢の血管反射が鈍っているために、最大血圧の下がり方はやや大きめです。つまり、血圧がストンと下がるために、立ちくらみをおこすことが多いので注意を要します。

危険な立ちくらみ

一般に、立ったときの最大血圧が15mmHG以上も下がったり、立ち上がってから30秒たっても最小血圧が上がってこないという場合には、起立性低血圧と呼ばれます。起立性低血圧がおこっても、脳の血液循環に支障をきたさなければ、特にめまい感などの自覚症状はおこりませんが、

起立性低血圧は、けっしてふだん低血圧の人にだけみられるものではなくて、高血圧の人にもみられます。特に、褐色細胞腫、原発性アルドステロン症、腎血管性高血圧などの症候性高血圧症では、起立性低血圧をおこしやすいのが特徴で、診断の手がかりとして重要所見でもあるわけです。

さてここで問題となるのは、交感神経を抑制する作用機序をもつ降圧剤が、起立性低血圧という副作用をおこす場合があるという点です。ですから、こういう種類の降圧剤を内服している場合は、横になっているときや腰かけているときの血圧値だけでなく、立っているときの血圧をはかってもらうことがたいせつです。特に、立ちくらみという症状をもっている人は、主治医にその旨を伝えることを忘れてはいけません。というのは、脳の動脈硬化がある程度進んでいるときは、こうノてく立位で血圧があまり下がると、脳梗塞をおこす危険があるためです。

メモ

急に立つと、最大血圧が下がるために一瞬くらっときます。健康な人は、手足の血管が反射的に収縮してすぐ元の血圧に戻ります。動脈硬化が進んでいる人は、こんなときに脳梗塞や心臓発作をおこすことがあるので要注意です。

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