熱量をとるより使うことを考える
肥満とは、からだに余分な脂肪がついた状態をですが、これは、消費熱量を上回る熱量をとった結果、脂肪として蓄えられた状態です。
つまり、からだにつきすぎた脂肪を減らすには、消費熱量が摂取熱量を上回るように工夫すればよいのです。このようにひと口にいってしまえばいたって簡単なことが、なぜ思うようにいかないのでしょうか。
それは人間が、空腹でないのに食欲を覚えるためであり、また、お金さえあればからだを動かさなくても食べ物が手に入る文明社会にあるからです。したがって、ダイエットを成功させるためには、食事(摂取熱量)と、仕事や運動(消費熱量)を常に念頭に入れて、自分でコントロールするしかないのです。
いくら太っている人でも、それは脂肪が多いということであって、ビタミンやミネラルまで多いわけではありません。まして自分の体内で合成できない栄養素、たとえば必須アミノ酸や必須脂肪酸、ビタミンなどは、毎日きちんととる必要があります。これらを補給しないでいると、健康を害してしまいます。
間違ったダイエット法
まちがいやすいのは熱量に関する問題です。たとえば、「ご飯は太るからパンに変える」とか、「うどんは太るけれど、そばなら安心だ」という考え方です。実はどちらも同じ熱量なのです。食事の回数にしても、1日に2回となるとかえって太ります。
これは、おなかが減っているのでつい食べすぎてしまうという意味ではなく、おそら〈1日に1回とか2回しか食べ物が口から入ってこないときは、とったエネルギー源を無駄にすることなくからだの構成に利用して、効率よく肥満の条件を生み出すしくみになっているのでしょう。したがって、朝食や昼食を抜くのはかえって損です。
健康的に痩せるために!
- 標準体重を調べ1日の必要熱量を調べる標準体重1kgにつき、30kcal
- たんぱく質体重1kgにつき1gは必要
- 脂肪全摂取エネルギーの20~25% とし、これを超えないようにする。日本人は現在上限の25%を超えているので要注意。油脂類のほか、肉、魚介、豆、卵、穀類、乳類などに含まれる「見えない脂質」にも気をつける
- ビタミン・ミネラル有色野菜200gと牛乳l本分
- 糖質エネルギー源としての働きをもっているために、肥満の仕掛け人として忌み嫌われがち。ただし糖質を極端に減らすと、体内の新陳代謝が乱れ、脂肪の不完全燃焼で酸血症がおこったり、たんばく質まで燃焼しはじめて高尿酸血症がおこる。このため、l 日に最低150gは必要(ご飯l杯で糖質は50g)
食べ過ぎを防ぐポイントなども大事。