血圧とは

血圧とは…動脈圧をさす

血圧とは、血管の中を血液が流れるとき、血管壁を押し広げる圧力のことをいいます。ところが、ひと口に血管といっても、心臓から送り出された血液が、からだのすみずみを通って再び心臓へ戻ってくる経路は、太さにしても壁の厚さにしても構造は違っています。
このため血管は、構造の違いにより、大動脈→動脈→細動脈→毛細管→静脈→大静脈というぐあいに、呼び名もいろいろあるわけです。

そして、同じ人でありながら、名前の違う血管の部位ではかられた血圧の値は大きく違っています。しかし、一般に血圧と呼んでいるのは動脈圧のことで、測定する部位は上腕動脈ですから、厳密には上腕動脈圧というのが正しいのです。これに対して、毛細管の圧力は毛細管庄、静脈の圧力は静脈庄と呼ばれます。

血圧で何がわかるのか

ところで血圧(動脈庄をはかる目的は、大きく分けて2つあります。その1つは、高血圧の診断や、病人の心臓機能を判定する目的です。この場合は、大動脈の圧力を知ることがたいせつなので、手足の末端ではかるわけにはいきません。これは、はかられた値が大動脈庄を正しく反映しないからです。また、この動脈の経路に異常がなくても、寒さや精神的ストレスで血管が収縮すると、手足の末端の血圧は低くなってしまうものです。たとえば、寒い環境で血圧をはかってみると、下腿の血圧は大腿の血圧より40mmHgも低い値になってしまいます。

血圧測定の第2の目的は、2か所の血圧値を比較して動脈の病気を診断することです。たとえば右と左と別々にはかった眼底血圧値が違っていることから、片側の内頸動脈閉塞が診断できこるし、上腕動脈庄や股動脈圧が右側と左側で違っていることから、動脈の閉塞病変が診断できるのです。

血圧測定はふつう上腕部でするのですが、ときに下肢ではかることもあります。一般に血圧値は、心臓から遠ぎかるほど低くなると考えられがちですが、実はそんな単純なものではなく、同じ大動脈の血圧も、心臓に近い胸部大動脈と、心臓から遠い腹部大動脈では、動脈内圧の状態は違うのです。

結論的には、腹部大動脈の血圧は胸部大動脈に比べて、最大血圧はより高く、最小血圧はより低めとなります。ということは、胸部大動脈庄を反映する上腕動脈の血圧は、腹部大動脈圧を反映する股動脈の血圧と違うということです。
この血圧差は、最大血圧について10mmHgにも達します。ただしこの差が15mmhgミリにも20mmHgにも達したときは、大動脈弁閉鎖不全症の疑いが出てきますし、それとは逆に、下肢の血圧が上腕の血圧より低いときは、大動脈に狭窄があることを意味しているのです。

血圧の循環図

血圧の流れ
血圧の流れ

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