食パン2枚分の塩分は梅干し1個分にもなる
日本人が食塩をとりすぎる理由は、米のご飯にみそ汁、つけ物という日本的食事そのものにあります。それなら食事を洋風にしたらよいのではないかと考えるかもしれません。
確かにこれも一理あります。戦後、食生活が豊かになって、たんばく質や脂肪の摂取量がふえてきましたが、それとともに食塩の摂取量はしだいに減ってきているのです。
しかし洋風にするということを誤解して、「ご飯よりパンにしたほうがよいだろう」と考えると、逆効果になる場合もあるのです。
というのは、ご飯そのものには食塩が入っていませんが、パンのなかには、たっぶり食塩が入っているからです。食パン1斤のなかには4~5gもの食塩が入っています。
つまり1斤6枚切りの食パンを2枚食べると、およそ梅干し1個分の食塩(1.6g)をとってしまうことになるのです。たかが1.6gとばかにしてはいけません。1日の食塩量を3食にふり分けると、1食に使える食塩は、血圧が高くない人で3.3g、高血圧の人では2.3gしかありません。
1食に食パン2切れ食べれば、おかずに回せる食塩は、血圧が高くない人で1.7g、高血圧の人ではわずか0.7gになってしまいます。たっぷりバターをつけたら、もうサラダはドレッシングな⊥ で食べなければなりません。スープもだめです。
これに対してご飯なら、1食分の食塩をまるまるおかずに回すことができるわけですから、ご飯とパンとで、どちらが食塩を制限しやすいか、改めていうまでもないでしょう。
といってこれは、食パンは絶対に食べてはいけないという意味ではありません。1食に2枚というのは多すぎるということだけです。
ごはんに洋風のおかずがおすすめ
食事を洋風にという意味は、塩から、タラコ、塩ザケ、つけ物という塩だらけの食品を、シュウマイ、ハンバーグ、オムレツといった、塩が少なくてもおいしい食品でおきかえなさいということなのです。
ただここで、日本人はせっかくの料理にしょうゆやウスタソースをかける癖があるので困るのです。シュウマイにはカラシ、オムレツにはトマトケチャップというふうに、調味料の使い方も洋風とするべきなのです。
しょうゆ( 塩分20%)に比べたら、ケチャップ(3.3%)やマヨネーズ(2.1%)の塩分はいたって少ないのです。
メモ
1日の食塩量7 gを3食に分けると、1食分はたったの2.3g です。パンは意外と塩分が含ま1れています。しかも、パンだけでは味けがないので、ついバターを塗ったり、ハムをのせたりして、さらに塩分をふやしてしまいがちです。白いごはんは塩分は0gです。