日本人の標準的血圧値については、厚生省が毎年発表していますが、同年齢の人の血圧値を平均してみると、最大血圧も最小血圧も年とともに上がってきます。
ただし最小血圧については、70歳以降に下がる傾向がみられます。そして最大血圧の平均値は、年齢に90を足した値にほぼ似ています。
このことが、「血圧は年齢に90を足した値」と言い伝えられている理由ですが、この結論は大きな過ちをおかしているのです。というのは、血圧の平均値というのは、病的に高血圧の人も、また低血圧の人も、いっしょくたにした値だからです。ところで血圧は、最大血圧についても最小血圧についても、値が上がるほど死亡率が高くなることがはっきりわかっているのですから、自分の最大血圧の値が年齢に90を足した値だったからといって健康だと思ってはいけません。
つまり血圧の平均値とは、身長や座高の標準値と同一に扱うわけにいかないのです。
最大血圧にせよ最小血圧にせよ、高くなるにつれて死亡率も上昇するのは確かです。
最大血圧が10mmHg上がると、脳卒中にかかりやすくなったり、脳卒中死の危険が高まる。その危険度は、男性では2割、女性では1,5割もアップするのです。