日本人は塩分の摂りすぎ
日本人が食塩をたくさんとるようになったのは、食塩を多めにとる必要があったからではなく、食べ物保存のために塩を使うという昔の知恵が、いつのまにか味覚を狂わせてしまって、なにもかも塩けを感じないと物足りない食習慣が身についてしまった結果です。
食べ物の保存に塩を使ったのは欧米でも同じです。しかし、冷蔵庫の普及とともにその必要度が減り、現在の欧米では日本ほどたくさんの塩はとらなくなりました。
日本でも、冷蔵庫は普及していますが、欧米にないみそ・しょうゆ・漬け物が日本人の食生活に深くなじんでいるために、舌の感覚がおかしくなったままなのです。
減塩
食塩のとりすぎがからだに悪いということを知っていながら、さて食塩をひかえるようにといわれると、「どう調理してよいかわからない」とか、「なにを食べたらよいか見当もつかない」と不満をいう人が多いようです。しかし、このまま食塩過多を続けていたら、結局は、脳卒中や心筋梗塞にかかってしまうのですから、なんとか対策早急に行わなければなりません。
次に、狂った舌感覚を是正するために、むりなく塩を減らしていくために6つのポイントがあります。
- 食品中の塩分量を覚える
- 調味料のセルフサービスを習慣化する
- 塩分を重点的に使う
- だし割醤油の活用
- 手作りが減塩の近道
- 減塩調味料
あらゆる食品に食塩は含まれ、あらゆる料理に塩は隠し味として使われています。でも、「食塩が多ければ食べてはいけない、少なければ食べてもよい」という単純な考え方をしたら、知性が疑われます。1日に許された範囲内であれば、なにを食べてもよいのです。このためにも、食品中の塩分量を覚えることです
まず無塩料理を作って、いぎ食べるときに、食卓で調味料を加える方法があります。これだと、使った食塩量の計算が実に簡単にいくのです。目玉焼き、生野菜サラダ、湯豆腐、魚のムニエルなど、身近な料理にこの方法が利用できるはずです。
限られた食塩をいろいろな料理に分散して使うと、どれもうす味となってしまい、もの足りなさが残ります。そこで、1品に思いきって食塩やしょうゆの昧をきかせ、ほかの料理は、食べ物本来の昧を生かした無塩食にするのです。こうすれば、満足感が得られ、また献立に変化がついて、減塩食も楽しみながら食べられます。
おひたしや刺し身のように、一般に生しょうゆで食べる料理の場合には、だし割りじょうゆにして使うことをおすすめします。しょうゆを、こんぶやしいたけ、かつお節などのだし汁で2倍くらいにうすめて用います。少量のしょうゆでも、だしのウマ味が加わって、おいしくいただけます。割り醤油をうまく活用することで減塩にがとても参考になります
腕のよい調理専門職が作った料理には、どうしてもたくさんの食塩が使われています。おすしにしてもうな重にしても例外でありません。ここはひとつ家庭で手作りがおすすめ。たとえばおすしのタネを買ってくれば、シャリに食塩を入れないでも、ワサビをたっぷりきかせたら満足できるでしょう。
ふつうのしょうゆは約20%の食塩を含んでおり、大さじ1杯で食塩約3gという計算ですが、減塩しょうゆに含まれる食塩の量は8~10%で、しかも味はふつうのしょうゆゆとたいして変わりません。減塩みそは、味はからみそに属するのに、食塩含有量は半分となっています。