血圧を変動させる大きなきっかけは、日常生活のなかに多数あります。会議や運転での精神的緊張、感激やイライラなどの感情的興奮、そして肉体労作など、ストレスはくり返し私たちを襲ってきます。
また、排便、せき込み、重い荷物の上げ下げには、いきみ動作が加わるほか、寒冷、高温浴はもちろんのこと、外力による痔痛などで皮膚が刺激されます。ときには寝不足をおこすこともあり、不摂生に陥ることもあるでしょう。
これらはすべて、血圧を変動させますが、これが二重、三重におこると、それだけ血圧は不安定に動揺します。いくつものストレスで自己のペースが乱れると、血圧に悪影響が出るだけでなく、血液が血管内でかたまりやすくなりますから、脳や心臓の動脈硬化がある程度進行している場合は、これがきっかこうそくけで、脳卒中や心筋梗塞をおこします。この刻々たる血圧の急な変動は、たとえ降圧薬をきちんと飲んでいて、ふだんの血圧が落ち着いている場合でも、おさえることは不可能です。
急な血圧変動のきっかけとなる危険行動一覧の例
- 飲酒後の後の入浴
- 遅刻しないようにとイライラしながら、駅の階段を急いで上がり、混んだ電車に無理に入ろうとする
- 満腹直後に冷たい外気を思いきり吸い込む
- 寒い冬の夜、暖房のないトイレで排便のために強くいきむ
- 熱いおふろに入ったあとで、寒い脱衣室にからだをさらす
- 真夏に、汗だくで帰ってくるなり、クーラーの前で涼む
- 寝不足の後の重労働
- 朝、時間ぎりぎりまで寝て、あわてて飛び起き、ふとんを上げる
- 会議の席で興奮したり、怒ったりして大声を出す